エルの楽園
					「私は、生涯彼女を愛することはないだろう
				しかし、彼女という存在は、私にとって特別な意味を放った
				なぜなら、生まれて来る子の名は、遠い昔にもう、決めてあるのだから」
				
				
				「ねえパパ、その楽園ではどんな花が咲くの?
				パパ、その楽園ではどんな鳥が歌うの?
				パパ、その楽園では体はもう痛くないの?
				パパ、その楽園ではずっと一緒に居られるの?」
				
				ああ、少女にはもう、見えていないのだ。
				傍らに横たわるその屍体が…
				
				「
ねえ、パパ
					なんだい エル
				明日は何の日か知ってる?
				世界で一番かわいい女の子の誕生日
				わたしね、お誕生日プレゼントは絵本が良いと思うの」