Ark
「彼女こそ、私のエリスなのだろうか?」
「箱庭を騙る檻の中で 禁断の海馬に手を加えて
驕れる無能な神にでも なった心算なの?」
我々を楽園に導ける箱舟は 哀れなる魂を大地から解き放つ
救いを求める貴女に 「Ark」を与えよう
『「Ark」と呼ばれたもの』は月光を受けて 銀色に煌めいた…
「ねえ、何故変わってしまったの?あんなにも愛しあっていたのに」
涙を笑みに変え、詰め寄る ナイフを握って…
「さあ、楽園に帰りましょう?お兄様」
信じていたその人に裏切られた少女 逃げ込んだ楽園は信仰という狂気
新しい世界へと羽撃ける自己暗示
澄み渡る覚醒は信仰という狂気
被験体1096通称「妹」、同じく
被験体1076通称「兄」を殺害
ケースNo.12過剰投影型依存における袋小路のモデル
すなわち、「Ark」
「箱庭を騙る檻の中で 禁断の海馬に手を加えて
驕れる無能な神にでも なった心算なの?、か…」
少女の声色で囁く。「楽園に帰りましょう」
ふと彼がモニターの向こうに視線を落とすと、
いつのまにか少女の背後には仮面の男が立っていた